The酒場2009 3/13 File No.6「浜松エスケリータ68」
Rain Rain Rain On my window painRain Rain Rain Beatin down again~
雨が降るたびに、あなたのことを思い出すわ、なんていう思い出は、ひとつもない、というか、思い出そうともしないが、あたしの最近の思い出の雨といえばこの日かな。
一日中降っていたな。しかも大雨。
しかもどんどん量が増えてくる。
しかも寒い。
雪にもなりゃしない。
冷たい雨ですよ。
・・・・・・・・・・・・
「長見さんですかあ?」
「はい、長見です。」
「こんにちは。ようこそ!」
迎えてくれたのは、浜松、郊外にあるオレンジ色のカフェだった。
「雨の中、ようこそー。ここら辺、なーんにもないでしょ。」
「なんにもないですね。家はいっぱいあるけど。家、みんな大きいね、庭も広いし。ビバリーヒルズみたいですね。家と家との隙間いっぱいあるし。」
「きゃはは。確かにこの地域はおカネモチ多いですよ。土地も、ある単位以上じゃないと売らないしね。」
「不思議な地域ですね。なんか、異国に来たような・・・。雨も普通じゃないし・・。」
「ぎゃはは。ギターアンプ、これ、ジミヘンのお気に入りのやつです。」
「なぜ、ここに?」
「ぎゃは。ここはビバリーヒルズですから。」
「あは。」
「あはは。」
それにしてもすごい雨だ。
腹減ったな。
近くに居酒屋ないし。
ここはカフェだし。いや、カフェだって・・・
「すみません、赤ワインとチーズください。」
・・・・・・・・・・・・・
ライブが始まりライブが終わる。
まだ雨は降り続く。
しかも、どんどん強く。
止む気配はなにもない。
エスケリータ、オレンジ色のカフェ。
君だけが頼りだ。オレンジ色の・・
君だけだよ。
いつだって、君だけが・・
・・・嘘つきだったアイツのことは、もう忘れよう。
あたしは、日本の酒場を旅する女、いやカフェだって!
今夜も少し強くなれた。
あたしは、いつの日か、コーヒーで酔えるオトナになるんだ。不思議な店の空気に包まれて。トリップさ。
Rain Rain Rain On my window Pain
Rain Rain ~
今日からは、雨の思い出といえば、ビバリーヒルズのオレンジのカフェ、エスケリータさ。だから、もっともっと、もっと降り続いてかまわないですよ。
・・・今夜もまた、明日もまた。
by madam-guitar | 2009-04-14 09:03