The酒場2009 3/20 File No.10「青森まんぶるず」
旅の楽しみのひとつは、よき酒場を見つけることである。今夜もまた、日が暮れる。ここは北の国だ。青い森の。寒いなあ。寒い。風もあるし。歩きたくないなあ。
そんな時は、近場に限る。確かホテルの下に居酒屋があったな。高いかもしれないが、ま、ライブ前の一杯くらいだから・・。
「いらっしゃいませ。」
「あの、30分くらい、一杯だけ飲みたいんですけど。」
「いいわよ、どんぞどんぞ。」
女店主だ。
あたしはカウンターの隅っこに座る。あ、スタッフも全員女だ。おかあさんとと娘と孫と、そんな感じ。家族経営でないか。
・・・とうちゃん なにやってるのかな。
「何飲みます?」
「焼酎お湯割りください。」
今夜、ライブやる店も女店主だ。あべちゃん と呼んでください、と言ってたなあ。ひとりで切り盛りしてるんだよね、店。
つまみ・・・イカとか烏賊とか、うまそうだな、でも今夜はライブ後、ごちそう用意してくれるってあべちゃんが言ってたから。おかあさんが料理作ってくれて、夜は帰っちゃうんだって。「あんまり夜遅くならないようにね。」っておかあさんに言われたけど、夜の店だからね、まんぶるずは、ははは。ってあべちゃんが言ってたっけ。
「はい、お通し。それとお湯割りね。」
あ、メニューの端っこに、お酒飲まれる方はお通し代、1000円いただきます、って書いてある!やっぱ、高級店だったんだ、1000円は高いなあ。
「その赤いバック、かわいいね。」
「あ、へへ。ありがとう。」
気軽な居酒屋なのにな。いい感じだよ、とてもいい感じ。
でも高いな。でも場所変えるわけにもいかない。
寒いから。
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「じゃ、お勘定ください。」
「は~い。」
あれ、800円だ。
姉さん ニヤリと笑った。
ありがとうね。北の居酒屋。
身も心も温まって、
・・・さ、ライブだ。
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!
・・。
たくさんのお客さんと共に打ち上げ。みんなこの店のファンだ。あべちゃんのファンだ。みんなでこの店を支えてる。さ、食べて食べて、飲んで。これ、ハタハタの田楽。この煮物おいしいね、それもこれもみんなあべちゃんのおかあさんが作ったんだよ、あ、オレから差し入れ、刺身、食って食って。
もう、おっかしくって・・たっのしくって・・
裸のモヒカンまで現れて・。
おチンチンで、ゲージツな文字をかくのだ。
さーっと帰っていったっけ。
・・・・・・・・・・・・・・・
「みんな、楽しむの、精一杯なんだよね。毎日楽しむカネなんかないさ。でも、こういう時は最後まで楽しむのさ。みんな明日になりゃシゴトさ。」
・・・刺身を差し入れてくれてCD買ってくれたOYAZIが言う。
「あー今夜は楽しかったー。」
・・・あー、あたしもだよ。
・・・・・・・・・・・・・・
・縁は奇なるものではありますが、ここ、まんぶるずとの縁は、まさに酒場が取り持つ縁でございまして、
・あたしは、よく打ち合わせと称して地元横浜はたまプラーザの某大手チェーン店○民でソングライターのK氏とよく飲んでいたのですが、
・いつも雰囲気が妖しかったようで。
・いつも焼酎ボトルを2、3本あけては、
・キープして、
・ボトルに「マダムギター」と書いたのですな。
・店長が 検索したのです。
・で、あたしのライブに来てくれて・・福島にですよ。
・あ、店長はやめたそうです。
・一緒に飲みました。
・ちょうどあたしはツアーブッキング中で、
・「青森の酒場知りませんか。」とたずねたら、
・知っていて、
・ ・・・繋がりました、あべちゃんと。
・元店長は、まんぶるずに顔出してくれて、
・「今日は夜行で横浜帰る。」そうなので、
・一緒には飲めなかったけど、
・一升ビン置いていってくれました。
・ ・・ドブロク。
・・・
・・
・
・・・今夜もまた、明日もまた。
by madam-guitar | 2009-04-18 04:17