作り話20120502
むかしむかしそのまたむかし、福島と呼ばれていた、会津磐梯山(ばんだいさん)の麓に小さな小さな国があって、そのまた小さな小さな村があったとさ。
それはそれは天気のいい夏の朝に
男の子が生まれたんだとさ。
おぎゃあ と一発、超短く威勢よく泣いて
隣りのおばあがびっくらしてそりゃすぐに風呂へ入れたんだとよ。
その風呂ときたら なんとまあ おじいの巨大な盃で、
たんまりの酒が入っていたもんだから
ついついぺろりと舐めてしまったと。
男の子はそのまま天国へ上がっていっちまったんだあ。
見るに見兼ねた山のカミサマが ならばツマミでも と
天空に放ったのが甘い甘い干し柿で
体中に染みついた酒を舐めては食って 舐めては食って
ゆっくりゆっくりと空へ上がっていったそうな。
途中で出るションベンもぜんぶ酒なもんだから
それも飲んで飲んでまた飲んで
鳥がやってきちゃあくわえてる木の実を食っては飲んで
飲んでは食ってまた飲んで
それでついつい調子がついちゃって
食っては飲んで飲んでは食って
さらに調子がついて踊り出し
ついには空の上から真っ逆さま
落ちたところがまた盃で
調子のよさは止まらず唄って踊って節つけて
それを見ていたじさまとばさまがツラれて踊って
なんの騒ぎかと隣りの娘がマネして踊って
それがめんこくて恋した息子が目立とうと踊って
えらい騒ぎはまだまだ続き
ついには世の中は食って飲んで踊って風呂入って寝る の永遠なる繰り返しになって
巨大なる唄が生まれたのでした。
♪小原庄助さん
なんで 身上つ〜ぶした
朝寝朝酒朝湯がだいすきで
それで身上つ〜ぶした
もっともだ〜もっともだ
もっともだ〜もっともだ〜
地球という小さな星の
小さな小さなほんの小さな地域が
もっとも平和だったという世の中、2015ねんから2025ねんまでのお話しです。
by madam-guitar | 2012-05-07 00:26